『前の席の幼馴染み』
こんな奴放っておこう。

てゆーかさ。
いい加減にもう。

唯奈と話してぇな。

はぁ…

よしっ
今日こそは!

ガタッと俺はイスから立ち上がり唯奈に近付いた。

「ゆ、唯奈。」

今は壁と俺に挟まれるような形で唯奈は座ってるから逃げられない。

「ど、どいてください。」

え…?
何故敬語?

「なんで敬語?」

「え?いや。別に。」

「どーゆう意味だよ。」

「だから何もないです。」

腹立つ。
何?その他人ですけど?みたいな反応は。
むかつく。

「唯奈はさ。
 俺の事…
 嫌い?」

「えっ……」

唯奈はビックリしたような声でそんな事を言った。

「ねぇ。嫌い?」

「嫌いじゃ…ないよ。」

「そっか。
 なら良かった。
 …ごめんね?いきなり追い込んで話しかけて。」

「うん…」

今日の俺は何でも出来そうな気がするw
嬉しすぎる。
唯奈と…
唯奈と3年ぶりに話せた。
ホントに。
マジで泣きそうだw


こんな浮かれた事を考えていた俺とは正反対に唯奈はあの日の事を思い出して泣きそうになっていたなんて事は誰も知らない。
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