『前の席の幼馴染み』
コツコツコツコツ…
ピタッ

「ねぇ?坊や達。」

え…
やっぱり……不審者だっ…逃げなきゃっ!

「唯奈!走れっ!!」

「はっ!?ちょっと!」

早く逃げないとっ…
早くっ!早く!

「おいっ待て!
 ちっ
 クソガキ共!待て!!」
グイッ

不審者の男は唯奈の手を引っ張って首を締めるような体制になった。

「きゃ!
 ちょっと…やめてよっ!やだ!
 蓮!蓮っ!助けて!」

唯奈が!

「やめろっ!唯奈を離せ!さわんなっ!!」

シャッ

不審者の男は自分のポケットから音を立てて何かを取り出した。

え…?
なんだよそれ
ナイ…フ?
嘘だろ…
やめろよ?
唯奈だけは…

「唯奈だけは傷付けたら許さねぇ!!!」
ドカッ!
俺は思いっきり男に体当たりした。

「うわっ!」

ゴロゴロゴロと唯奈は男から離れて道路を転がった。

「痛っ…
 …蓮?
 え?蓮…!」
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