ギャルとメガブス
こんなに煩わしい思いをさせられるくらいなら、いっそ夢であってくれた方が良い。

メガブスだった過去も。

こうやって、夢だか現実だか分からない出来事のせいで、真夜中に乗りなれないスクーターに跨っている間抜けな自分も……。


現実は、皆からチヤホヤされている、カリスマ店員のミナだけで良い。

ふいに、ミキちゃんの顔を思い出す。

あの子だって、いつも自信満々な顔しか見せていなかった。

あの子は今頃、どうしているのだろう。


私だって……。


後は全部、いらない。

夢で構わない。



けれど、それらは全て――


現実だった。

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