ギャルとメガブス
俊くんの手引きで、私たちは富士見が丘小学校へ入り込んだ。

門のところに、大手警備会社のシールがこれ見よがしに貼ってあったので、私は躊躇したが、俊くんは事もなげに言った。


「だから、大丈夫だってば。僕、幽霊なんだよ? 幽霊って、不便だけど、時々便利」


カチャン。

キキキキキ……。


控えめな音を立てて、門が勝手に開いた。

僅かな隙間に俊くんがさっと入り込み、私を手招きする。


「早く! 僕は誰にも見えないけど、みいちゃんは見えるんだからさ」

「えっ、あ、うん」


私は周囲に人影がないかを確認してから、急いで学校の中へ入った。
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