ギャルとメガブス

8 事件

その日は朝から、何だか嫌な感じだった。

それは些細なことばかりだったけれど、とにかくチクチクと神経に障るようなことばかりだった。



例えば、珍しく朝食を作って食べようとしたら、目玉焼きの中に卵の殻の破片が入っていたり。

電車に乗ろうとしたら、人の流れに飲み込まれ、車両から押し出されてしまったり。

コンビニに買い物へ行ったら、今日に限ってろくなものが残っていなかったり。



別に、気にするほどのことでもないといえばそれまでなのだが、微妙なストレスが私の気持ちを重くさせるのだ。


まだ頭痛に至る前の、微妙な頭の重さにも似た、そんな憂鬱とも言えない程度の憂鬱。

私は一日中、それに翻弄されていた。
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