ギャルとメガブス
応接室の電話が鳴った。

警備員の一人が、受話器を取る。


「はい。

ああ、あんたかね。

入りなさい。

扉を開けて、真っ直ぐに廊下を進んで。

……そう、迎えに行くから」


受話器に向かって喋る警備員に、もう片方の警備員が目配せして、応接室から出て行った。


コーイチがやって来たようだ。



数分後、コーイチを連れた警備員が戻って来た。

コーイチは、入ってくる前から眉間に皺を寄せていて、私の姿を見るなり、その皺を深くした。


「お前、何やってんの?」


第一声目は、その言葉だった。

とても冷たい声色だった。
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