ギャルとメガブス
「あのですね、お嬢さん。

一つ、引っ掛かることがありましてね。

あんた、毎日あそこに忍び込んでいたわけでしょう?」


警備員の喋り方が、多少丁寧になった。相変わらず、嫌な感じではあるけれど。

私は素直に頷いた。

今更隠し立てしても仕方がない。


「どうやって、入り込んだ?」

「……今日と同じです。えっと、酔っ払ってて、あんまり覚えてないっていうか……」

「まさか。正直に答えて」

「だから、えっと……酔った勢いで、門の……裏門を、開けて」

「そこなんですがね」


警備員が眉をぴくりと痙攣させた。
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