ギャルとメガブス
私はマトモだ。

そのくらい分かる。


やたらと体格のがっちりした、無愛想な中年の看護婦に、痛いくらいの力で腕を捕まれ、自分の病室へと案内された。

しかしそれは案内というよりも、刑務所の折にぶち込まれる罪人が、連行されているようなものだった。


「さ、ここがあなたの病室よ。

昼間は夜は鍵を掛けさせてもらいますからね」


私に宛がわれた部屋は、簡素な作りの部屋だった。

一見それは、普通の病院の個室と大差ないものだったが、一番の違いは、窓にはガッチリと鉄格子が嵌っていることだろうか。


私はパジャマのような服に着替えさせられた。

私物は一切取り上げられた。

勿論、財布も携帯電話も。
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