ギャルとメガブス
「僕ね……今、曲を作ってるんだ」

「え、そんなことまでやってるの?」


私は面食らって目を見開いた。


「まだ、ちょっとしかできてないんだ……。

だって、最近、ピアノ弾くの、嫌だったから。

ずっと、ほったらかしにしてた。

でも、みいちゃんが手伝ってくれたら、できる気がする」

「良いけど……私、できるかなぁ」


及び腰な私に、俊くんは笑った。


「できるよ。だって、みいちゃん、ピアノ弾く時、とっても楽しそうだもん」



だって、ピアノだけでも楽しいのに、今は俊くんがいるから……。

私はそう思ったけれど、恥ずかしくって、とてもではないけれど、それを俊くんに伝えることはできなかった。
< 17 / 215 >

この作品をシェア

pagetop