ギャルとメガブス
昼間のうちは、病棟内を自由に歩き回ることを許可された。


病棟には、病室のほかに広々とした食堂と、絨毯が敷き詰められたレクレーションルームのような部屋があって、そこには玩具や絵を描くための道具などが置いてあった。


本当に、幼稚園みたいだ。


他の患者の様子は、様々だった。

本当に頭がおかしいのだろうなぁと思わせるような、奇怪な行動を取り続ける人から、一見マトモそうで何処がおかしいのか分からない人までいた。

しかし、私は警戒して誰にも近寄らなかった。


私は頭がおかしい人間ではないのだから、こんな場所に収監されている人たちと係わり合いになるなんて、真っ平ごめんだ。


誰に話しかけられても無視し続けた。

食事の時以外は、ずっと自室に篭っていた。

本当に退屈で、今まで読みもしなかった新聞やら雑誌やらを食堂から持ってきて、一人でむさぼり読んでいた。
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