ギャルとメガブス
そして、隙を見ては看護婦や医者に詰め寄って、どうして退院させてくれないのかと迫った。

しかし、彼らは相変わらず、駄々っ子を諌めるような口調で私に接し、全く相手にしてもらえない。


埒が明かなかった。

ここまで自分の存在を軽んじられることなんて……メガブスだった小学生時以来だ。


いや、あの頃の方が、まだマシだったかもしれない。

家に帰れば母がいて、私が話せばちゃんと話を聞いてくれた。


しかし、今は、誰も聞いてくれる人なんていない。

誰も、私の味方はいない。


私はこのまま……永遠に、この柔らかい監獄みたいな精神病棟に繋がれたまま、一生を終えるのだろうか?


そんな恐怖まで、脳裏を過ぎった。
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