ギャルとメガブス
私は肩を竦めた。


「言ったって、信じないわよ」

「それは、言ってみなきゃ分かんないんじゃん?」

「……イヤよ。馬鹿にされて、笑われるのがオチだから」

「馬鹿にはしない。それに、笑わない。

信じるか信じないかは分かんないけど。

教えてよ、気になって眠れなくなるだろ」


男は私の前で両手を祈るように握り合わせ、大袈裟に懇願した。

私は男のひょうきんな様子に、ちょっとだけ気持ちが明るくなった。


「――絶対に、ぜーったいに、笑わないでよ」

「約束するから」
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