ギャルとメガブス
「ここから出る方法、教えてやるよ」


男が秘密の話でもするかのように、声のトーンを落とした。

私に顔を近づけて、上目遣いに私を見る。


「まず、医者や看護婦にたてつかない。

さっきみたいのは、もっての他だから」


「……分かった」


私は素直に頷いた。


「後は、無愛想にするのもダメだ。

できるだけ、医者や看護婦に愛想良くするんだ。

処方されたクスリとか、ちゃんと飲んでる?」

「……飲むわけないでしょう。

だって、必要ないもの」

「まあ、飲みたくない気持ちは分かるけど、飲んでるフリはしとけよ。

飲まないで、便所に流すでも良いからさ」


私は頷いた。
< 184 / 215 >

この作品をシェア

pagetop