ギャルとメガブス
「変なことじゃないから。

――あのさぁ、その幽霊、ここから出た後も、会いに行くの?」

「行くよ。

……まだいるならね」

「いないと思うの?」

「分かんない。

なんかね、ここにずっといたら、俊くん……ああ、その幽霊の名前なんだけどね。

彼のことも、もしかしたら妄想だったんじゃないかって、そんな風にまで思えてきちゃうのよね」


私はここへ収容されてからずっと、俊くんのことと、コーイチへの恨みばかりを考えて過ごしていた。

しかし、私は閉鎖された空間と行き詰った状況に、徐々に追い詰められていた。


そして、時々ではあるが、もしかして自分の頭は本当におかしくなってしまったのではないだろうか、と思うようになっていた。
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