ギャルとメガブス
「……ちょっと、何それ」


声を潜めて、男に問う。


「何が楽しくて、幽霊を見に行こうとか考えてるの?」

「いや、だから、社会勉強」


男は悪びれる風もなく笑った。


「でも、あんたに見える保障はないよ」

「別に、見えなくても良いよ。

幽霊と喋ってる、君の姿を見てみたい。

ああ、こんな風な人もいるんだぁ、みたいなね。

面白そうでしょ?」

「あんたって……変よ」

「変じゃなかったら、ここにいないよ」


男は肩を竦めた。

< 188 / 215 >

この作品をシェア

pagetop