ギャルとメガブス
私とマコトは、お互いの電話番号とメールアドレスを交換した。

マコトは祐天寺の辺りに住んでいるらしい。


「出たら、連絡する」

「おう、待ってるよ。

早く幽霊を見てみたい!」

「だからァ、あんたには見えないってば。多分」

「じゃあ、外でみいちゃんを待つ間、スピリチュアル系の集会にでも参加して、オーラを高めておこうかな」

「何よ、オーラって……」


退院の日、マコトは持っていた雑誌の類を全部私にくれた。

それは十数冊もあり、あと数日間だったら、これを読み耽っていたらあっという間だよ、と言われた。

その頃には、もう私は夜、鍵を掛けられた病室で泣くこともなかった。

むしろ鉄格子の嵌められた窓の外を眺めて、自分の家や俊くんの顔を思い描いては、退院の日に心を弾ませていた。
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