ギャルとメガブス
漸く、待ちに待ったその日がやって来た。

それまで固く閉ざされていた外界への扉が、私の前に明るく開け放たれた。

外の光は眼球を刺すように眩しくて、けれども肌には優しく温かかった。


鞄の中から携帯電話を取り出す。

この、つるりとしたプラスチックの感触も、しばらくぶりだ。

何だか愛しくすら思えてくる。


ダイヤルをプッシュして、相手が出るのを待つ。

1コール、2コール、3コール……。


「もしもし?」


数日振りの声だったが、とても懐かしく感じられた。


「あ、マコト?」

「みいちゃんか!

退院できたんだね、おめでとう」

「ありがとう」


こうやって、退院を喜んでくれる人が一人でもいるということは幸せだなぁ、と感慨深く思った。
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