ギャルとメガブス
私は夜まで時間があったので、一旦家に帰った後、買い物へ出かけた。

向かった先は、楽器屋だった。

そこで、乾電池で鳴る、玩具のピアノを買った。

小学生向けのものだったが、一応3オクターブまで出る。

もう学校に入り込むことはできないから、せめて玩具でもピアノがあるだけマシなのではないかと思い、購入したのだ。


私とマコトは、六時に渋谷で待ち合わせ、夕食を食べてから俊くんのところへ向かった。

富士見が丘が近付くにつれ、私の緊張は高まった。

ドキドキする。

逃げ出してしまいたいほどの緊張。


「大丈夫?」


異変を察知して、マコトが声を掛けてくる。

私は無言で頷いた。
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