ギャルとメガブス
とうとう、電車は富士見が丘に到着した。

人の流れに混じって、私は電車を降りた。

電車の中では、ずっと、窓の外を見ないようにしていたので、俊くんがいるのかいないのかは、まだ分からない。



どうしよう。

いなかったら、どうしよう……。


ひたすら自分の爪先を見つめ、駅から地上への階段を上る。

緊張が更に高まる。


俊くん……。


「みいちゃん!」


声が、確かに聞こえた。

私は最後の一段を上りきり、顔を上げた。
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