ギャルとメガブス
俊くんが、突如改まった調子で切り出した。


「……僕、そろそろ行こうかと思って」

「行くって、どこへ?」


俊くんは、私からさりげなく視線を逸らす。


「つまり……その……僕も良くは分かんないけど。

行くっていうか……多分……」


遠回しすぎる会話に、私は不穏なものを感じ取った。


「何の話してるの?」

「僕、死んでからずっと、眠ってなかったんだ。

全然眠くなかったし。

でも、最近なんだか疲れて……眠くなってきたんだよね。

だから、もしかしたらコレって、皆が言う成仏ってやつをする時なんじゃないかって思って」

「だけど……そうしたら、もう会えなくなっちゃうんでしょ?

曲だって、終わってないのに!」
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