ギャルとメガブス
私は俊くんの肩を掴んだ。


「嫌だよ!

約束したじゃない、曲作るんだって。

俊くんが来いって言うから、私、毎日来てたんだよ。

それなのに、途中で放り出して逃げるの?

そんなのって……ないわよ!」


「ごめん。

だけど……」


俊くんは肩に置いた私の手を、その上からそっと握った。


「僕のせいで、みいちゃんは酷い目に遇ったでしょう?

やっぱり、ダメなんだよ。

いけないことなんだ。

死んだ人間と、生きてる人間は、もう別のものだから、一緒にいちゃいけないんだよ。

無理に一緒にいると、面倒臭いことがいっぱい起きるんだ」

「そんな……」

「――でも、僕、みいちゃんに会えて、本当に良かった。

もしかして、みいちゃんに会えなかったら、ずっとあのままだったかもしれないしね。

眠ることもできないまま、この先ずーっと、踏み切りのところに居続けなきゃならなかったかも」
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