ギャルとメガブス
十時になり、店のドアを開く。

すると、平日なのにも関わらず、巷で人気のギャルブランドショップには、ひっきりなしに客がやって来る。


笑顔を振りまいて、口先八丁で店の売り上げに貢献する私。


冴えない、芋臭い女の子たちをチヤホヤと持ち上げ、キメ台詞は

「超カワイイ」

「超似合う」

「コレ、今スッごい人気でェ、バンバン売れてるんですよォ」


自分に自信のない女の子たちは、売れているというだけで良かれと思うのだ。


そして、最終的に

「私も、コレの色違い持っててェ――」



私みたいな良い女と同じ服が着られるなんて、光栄でしょ?



芋臭い女の子たちは、少しでも私に近付きたくて、私の台詞に乗せられて

「じゃあ……」

とはにかみながら、洋服を購入してゆく。


私は内心苛立たしく思いながらも、表面上では愛想を振りまき、ギャルだけど気さくで親切な店員を演じるのだ。
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