ギャルとメガブス
今考えると、凄まじいあだ名だ。皆にいじめられるので、私は必然的に一人遊びに没頭するようになった。

それは読書だったり、音楽だったり、絵を描くことだったりした。



その中でも特に、幼稚園時から習わされていたピアノは、激しくなるいじめと比例するかのように、それなりに上達していった。


とはいえ、そこは英才教育などではなく、ただの趣味としてのお稽古事であったから、私の腕前なんてたかが知れていた。



だが、子供とはおろかなもので、すぐに自分を特別扱いしたがる。

私も例に漏れず、自分自身の才能が素晴らしい特別なものなのだと勝手に思い込んでいた。
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