ギャルとメガブス
発車のベルが鳴る。

改札の方から、終電を逃してなるものか、と人々がなだれ込んで来る。


押し合いへし合い、まるで私たちは押し寿司の米粒みたいに、ギュウギュウに圧縮され、べったりと張り付き、身動きが取れない状態で電車に揺られる。


ああ、気持ち悪い……。


飲み過ぎたようだ。

胃がムカムカして、今にも吐いてしまいそうだ。



神泉の駅で、奇跡的にも、私のすぐ前の席に座っていたサラリーマンが立った。

私の横にも辛そうにしているおばさんがいたけれど、そんなものは無視して、私は熾烈な椅子取りゲームの勝者となった。
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