ギャルとメガブス
俊くんが突然笑い出した。
「そんなこと、気にしてたの? 大丈夫だよ、僕、ちゃんと覚えているから。毎日作ったところまで、何回も何回も練習して、頭に入っているんだから」
私はあんぐりと口を開けた。
「そんなことより、みいちゃんが来ないから、曲、先に進まないよ」
「そんなこと……だって、私、別に何もしてないもん。曲を作ってるのは、俊くんだよ。私はただ、聞いてるだけ」
「違うよ!」
俊くんが大きな声を出したので、私はびっくりして身を引いた。
たまたま私たちの隣を通過しようとしていた買い物帰りのおばさんも、驚いた表情で私たちを見た。
でも、自分自身の声に一番ビックリしたのは、どうやら俊くんだったようで、言った後で「しまった」といった表情をして、肩を竦めていた。
そんな俊くんがおかしくて、私はちょっと笑った。
「……違うもん」
俊くんが、ちょっと膨れっ面でもう一度言った。
「みいちゃんが一緒にピアノ弾いててくれないと……楽しくないと、曲なんて、思いつかないよ」
「えっ」
「一人じゃできないもん」
「そんなこと、気にしてたの? 大丈夫だよ、僕、ちゃんと覚えているから。毎日作ったところまで、何回も何回も練習して、頭に入っているんだから」
私はあんぐりと口を開けた。
「そんなことより、みいちゃんが来ないから、曲、先に進まないよ」
「そんなこと……だって、私、別に何もしてないもん。曲を作ってるのは、俊くんだよ。私はただ、聞いてるだけ」
「違うよ!」
俊くんが大きな声を出したので、私はびっくりして身を引いた。
たまたま私たちの隣を通過しようとしていた買い物帰りのおばさんも、驚いた表情で私たちを見た。
でも、自分自身の声に一番ビックリしたのは、どうやら俊くんだったようで、言った後で「しまった」といった表情をして、肩を竦めていた。
そんな俊くんがおかしくて、私はちょっと笑った。
「……違うもん」
俊くんが、ちょっと膨れっ面でもう一度言った。
「みいちゃんが一緒にピアノ弾いててくれないと……楽しくないと、曲なんて、思いつかないよ」
「えっ」
「一人じゃできないもん」