ギャルとメガブス

５ メガブスと新生活

横浜に引っ越した私は、二週間ほどの休暇を楽しんだ。



本当はすぐに新しい学校へ行くべきなのだろうが、母が休んで良いと言ったのだ。

母とはあの日以降、いじめの話も私の悩みも話し合ったりしていない。

母は何も尋ねて来なかったし、私も喋れなかった。



私と母は、そういう関係だった。




だからと言って、母が私を心配していないわけではなく、それは今回の引越しに顕著に現れていることでもあるが、母は人一倍、私の身を慮ってくれていた。

私は私で、結局のところ、これ以上母に迷惑を掛けたくない一心で、何も話すことができなかった。