ギャルとメガブス
祖母は私と母がやって来たことを、とても歓迎してくれた。

恐らく、一人で寂しかったのだろう。

それまで二人だった私たちの食卓は、祖母が加わったことで、少しだけ活気づいた。

二人きりだと黙りがちになっていた私と母も、祖母が会話の先導を切って話すのにつられて、ぽつりぽつりと会話を楽しむようになっていった。




母はすぐに、横浜で飲食店のパートの仕事を得た。


家賃を払わずに済むようになり、経済的にも安定した母は、それまでの青白い痩せ細った体から、徐々に生き生きとした生気を取り戻していった。

それに、祖母が近くにいることが、母の精神の安定にも大いに作用していたことは間違いないだろう。
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