ギャルとメガブス
ある日のこと。

祖母が、私を眼科に連れて行くと言い出した。


「ミナコ、あんたコンタクトレンズにしてみたら?」

「え?」


突然のことに戸惑う私の手を引いて、祖母は街の眼科に私を連れ出した。


「そんな分厚いメガネしていたら、運動もし辛いでしょう。

それにね、メガネを外したら、きっとミナコのことだから、もっともっと可愛くなるよ」


私ははにかんで俯いた。


祖母は金銭的に余裕があったので、私に何かプレゼントをしたかったらしい。

後から聞いた話だが、コンタクトの件は母の差し金でもあったようだ。


確認したわけではないが、恐らく、母は私がクラスメイトから「メガブス」と呼ばれていたことを、知っていたのだろう。
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