ギャルとメガブス
その表情を見て、私は思った。


ここで私が腹痛を訴え続けたら、恐らく母はまた私を心配するだろう。

私は腹痛を堪えて言った。


「でも、大丈夫。お腹の薬、ちょうだい」


母はいそいそと台所へ向かい、戸棚の中から下痢止めの薬を取ってきた。

私はそれを胃に流し込み、トイレに五分ほど篭ってから、鬱々とした気分で学校へと向かった。


学校という場所へ向かう自分が、絞首台に向かって歩いている罪人みたいに思えた。




学校への道のりは、前もって母に教わっていたので、迷うことはなかった。

しかし、重い歩調のせいで、時間に余裕を持って家を出たというのに、結局学校に着いたのは遅刻ギリギリの時間だった。

職員室に行き、担任の先生に挨拶を済ませると、先生が私を連れて教室へ向かった。
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