ギャルとメガブス
ああ……ここでは、ここでならば、私は「メガブス」ではない。


皆が「みなこ」として私を見てくれる。



休憩時間に真っ先に私の元へ走り寄ってきたのは、二つ隣の席の女の子だった。

その子は、とりわけ明るい笑顔をしていて、いかにもお調子者と言った感じの女の子だった。


「ねえ、あんたまだ、友達いないんでしょう?」

「えっ……うん」


私が頷くと、女の子は満足げにニコニコと笑った。


「じゃあさ、私が一番最初のお友達になってあげる。

あんたのこと、ミナって呼んで良い?」


私はその子の勢いに圧倒され、いつものようにどうすれば良いのか分からなくなって硬直しかけた。

しかしとにかく何か反応を示さなければならない、と思って何度も頷いた。
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