ギャルとメガブス
更に、私の生活を変えたのは、祖母の家のお隣さんだった。


その家族には、アパレルの会社に勤務する娘がいた。

彼女のお下がりや、会社のサンプル品などの大量の洋服が、捨てるのはもったいないからと、私に回ってくるようになった。



それまで私は、洋服のことなどそれほど気にしたことはなかった。

気にする以前に、母と二人暮しの時には、家の経済状況が苦しいことも子供ながらに察していたので、母に服をねだったりすることもなかった。


だから、突然自分のクローゼットに大量の流行の服が舞い込んできたことに対しても、少し嬉しかった程度で、当初、それ以上の感想は沸かなかった。


ファッションというものに対して、大した興味がなかったのだ。
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