ギャルとメガブス
店への出勤途中、井の頭線の電車の中で、ガラスに映った自分の顔をぼんやりと眺めていたら、徐々に昨晩の出来事がはっきりと思い出されてきた。


「呪うよ」


と言った俊くんの暗い表情も、はっきりと。

あれは、本当にあった出来事なのだろうか?

夢であって欲しい、と心の底から思った。

幽霊と喋ったなんて。

……俊くんが、死んでしまったなんて。


ああ、考えたくもない。
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