すいません、ここにいますね。
お風呂で
かずにぃは「体冷やすなよ!」と言って部屋から出て行った。
そして、あたしは…。
シャーーーー
「ふーぅ。」
お風呂タイムだ。
シャンプーが目にしみるぜぃ。
こんなときこそシャンプーハットが!
…でも、もうシャンプーハットは卒業したしなぁ。
good-byeシャンプーハット。
お前を思わなかった日はなかったさ。
good-byeシャンプーハット。
「good-bye♪good-bye♪シャンプーーハットぉぉ♪」
なんとなーくお風呂で即興シャンプーハットソングを歌う。うん、なかなか無い体験だ。
いやそもそも、シャンプーハットソングって何?
「ま、いっか。」
シャンプーしてー、コンディショナーしてー…。
あー、髪切りたいなー。ばっさりいきたい。
あたしは髪を切るのが面倒でそのままだ。
でも、手入れはちゃんとしろって、かずにぃがたまに手入れしてくれる。
「かずにぃ感謝だね、こりゃ。」
あたしがのんきにそう思っていたら…。
ガタッ!ガシャガシャ!ガキィーーン!
「え?」
なんか、音がした。
ていうか窓の金具壊れた音かな、さっきの音。
ちなみに、あたしは今一人で。
全裸で、そしてシャワー浴びてて。
そんな中に窓の金具が急に壊れて…。
これは…。
ゆ、ゆゆゆゆゆゆゆ
「幽霊、」
なんて、ことデショーカ。
あたし、ピンチ…?!!
あたしのなけなしの勇気をしぼりにしぼって、後ろへ振り向いた。
壊れた窓からあ、ああ足が…。
足が出てきた…。
足の幽霊?!!
…もしや、●けて●の足があるバージョン?!ナニソレ前衛的!!
あの都市伝説の?!ウソデショー?!
え?じゃあ、仲良くなりたいなー、なんて。
あ、サインも貰いたい。
あ、足でサイン書けないジャーン!
あたしの神経はもはや麻痺していた。
とりあえず、て●て●足があるバージョンに話しかけようと(この間わずか0,1秒)忍び寄ってみた。
「て●て●さん!サインください!」
家宝にするんで、とまでは言えなかった。
そのて●て●さんがぬっ、と顔を出したからだ。
て●て●さんらしきひとはあたしを見て呆然としている。
何度も言うがあたしは今、全裸だ。
ちなみにて●て●さんといえば下半身が欠落した状態で両手を足がわりに動かしてシャカシャカ移動するというこれまたビックリな都市伝説であり、やはり信じるか信じないかはあなた次第です的な類いのものである。
え、てかて●て●さんからだ見つかったんか!
ぅえええぇぇーーーー?!!!
「てっ、て●て●さぁぁあんっ!!からだ見つかったんか!なんか、よくわかんないけどおめでとう!」
「え?…あ、ありがとう?」
あたしのずれている祝いの言葉にて●て●さんはちゃんとお礼の言葉をのべる。
「て●て●…?!!」
どうやら、ホンモノのて●て●さんじゃないっぽいのはわかった。
「…っぇっぷしっ。」
とりあえず、お風呂から出たい。