すいません、ここにいますね。

えっ…




改めて聞いてみる。


「誰ですか、あなた」


「いや、さっき芽崘高校3年の飯田忠夏って言ったけど」

「っていう割にはきちんと言ってくれてるじゃん」



なんか、割とちゃんとしてる?


じゃ、じゃあ、
ただの人間?てことは…。

「あたしの裸見られた…!?」



あたしの体を!

絶壁の谷間とくびれのないウエストを、こいつは見やがった!






なんてことだ!



「あ、あの、」

「ねぇ」





見なかったことにしてくれるわよねぇ…?





あたしの地獄の底から出たような声は男を震えさせるのには十分だった。







「て●て●さんは、なんであたしの風呂場に入ってきたの?いっておくけど犯罪だよ?幽霊でも妖怪でもドッペルゲンガーでも大統領でもアウトだよ?」

「いや、幽霊でも妖怪でもドッペルゲンガーでも大統領でもないんだけどね」


やばい、そろそろ怒り出しそうだ!
て●て●さんを怒らせると何が起こるかわからないからなぁ…。あ、足がなくなるかも!
嫌だ!まだあたしは歩いていたいんですぅぅう!
あたしが得意な百面相をしている内に、て●て●さんはあたしの目の前にいた。
そして、て●て●さんは苦虫を噛み潰したような顔をしてこう言った。




「俺、帰る場所が無いんです。」




「え?」



あたしはて●て●さんの続く言葉はあたしにとってこれからとてつもなく大変なことになるのを予感させた。








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