蝶の行方は
*
土「ごちそうさん。
俺、もう帰るわ。」
祈「え、もうですか!?」
土「じゃあな。」
…そんな悲しそうな顔も、どうせ演技なんだろ。
ふ、と心が冷める。
土「…!」
祈「歳三さん?」
土「いや。」
そう言い、店を後にする。
…俺も、すっかり鬼になってしまってたんだな。
新選組を解散したところで、簡単には人を信じられない。
土「…職業病ってやつか。」
地平線に太陽が沈んでいくのが見える。
辺りは赤く染まっている。
まるで血のように。