蝶の行方は







土「ごちそうさん。
俺、もう帰るわ。」

祈「え、もうですか!?」

土「じゃあな。」



…そんな悲しそうな顔も、どうせ演技なんだろ。

ふ、と心が冷める。



土「…!」

祈「歳三さん?」

土「いや。」



そう言い、店を後にする。



…俺も、すっかり鬼になってしまってたんだな。

新選組を解散したところで、簡単には人を信じられない。



土「…職業病ってやつか。」



地平線に太陽が沈んでいくのが見える。


辺りは赤く染まっている。









まるで血のように。





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