蝶の行方は





土「…はぁ。」




屋敷の自室につき、紺の羽織を脱ぐ。





祈“え…!?”




祈織の、あの表情が忘れられない。



驚きの中に戸惑いが混じる表情。


心の中で、あいつは何を思ったのだろう。





土「…俺には、関係ねぇ。」




そうだ。

俺はなんでこんなことを気にしてるんだ。



あんな女など、どうでもいいだろ。





土「どうでも…っくそ…」





俺は固く握りしめた拳で、壁を殴った。




< 71 / 87 >

この作品をシェア

pagetop