愛させろよ。
でも、途中でどこをやっているのかわからなくなった。

完全に迷子だ。

助けを求めて桐谷先輩を見ると、先輩はすぐ俺の視線に気づいた。

細い長い指で、楽譜を指してくれた。

ありがとうございます……!

曲は終盤にさしかかり、最初と同じゆったりしたフレーズが戻ってきた。

そして、全ての音が遠ざかるように感じて……
< 107 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop