愛させろよ。
考える前に、口が動いた。

「その髪も、その目も、俺は好きですよ」

は、今俺何て言った!?

俺は恥ずかしさで死にたくなった。

ああ、今俺真っ赤なんだろうな、と他人事のように思った。

先輩も、意表をつかれた様子だった。

「あ、ありがとう……」

俺は黙って練習を始めた。

吹いている間話せないというのは、管楽器の最もいいところだと思った。
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