愛させろよ。
帰り道、前を歩く桐谷先輩を見つけた。

俺は迷わず追いかけた。

「桐谷先輩!」

先輩は振り向かず歩き続ける。

無視られてる?

追いついて横に並んだというのに、先輩は俺に目もくれない。

やっぱ俺、地雷踏んだのかな……

ちょうどその時、目の前の信号が赤になり、俺たちは止まった。

最後の賭けのつもりで、俺は先輩の正面に回り込んだ。

「桐谷先輩」
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