愛させろよ。
「そうじゃないから安心しっ……」

先輩の言葉が急に途切れ、同時に先輩は足を止めた。

俺は二三歩進んでしまってから、立ち止まり振り返った。

先輩がさっと何かを口に入れるのが見えた。

何してるんだろう、と思って見ていると、先輩はまた動きだして俺に追いついた。

「先輩?」

「何でもない」

「え、大丈夫なんですか?」

「何でもないって言ってるでしょう。気にしないで」

「はい……」
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