愛させろよ。
合奏の後、茉莉花先輩は苦笑いした。

「堤くん、すごく気合い入ってるわね」

「そうですね」

「まあ、わからなくもないけど。最後の年だし、今年はお客さんも多いだろうし」

「お客さん多いんですか?」

先輩は、桐谷先輩を見やって言った。

「たぶんね。だって藍ちゃんがソロやるのよ」

「桐谷先輩、有名なんですか?」

「そりゃ、あの桐谷蘭の娘なんだから。知ってる人は知ってるわ」
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