愛させろよ。
「ねえ相原、今週の日曜日空いてる?」

急に桐谷先輩に言われたのは、水曜日のことだった。

「はい、空いてますけど」

何だ何だ、デートの誘いか?

そんな俺の淡い期待は、無残にも打ち砕かれた。

「吉永先輩へのプレゼントを選びに行くから。十時に駅で」

「はい」

ああ、そういうことか。

要するに買い出しだな。

先輩が俺なんかにデートを申し込むわけがないもんな……。
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