愛させろよ。
◇第三章 共に

直前

次の日部活に行くと、雰囲気がいつもと微妙に違っていた。

最初のミーティングで、その理由はわかった。

「定演まで一週間切りましたああぁぁぁっ!」

伊藤先輩がそう思いっきり叫んだ。

周りの先輩方も、拍手したりして盛り上がっている。

「高三のみんなは、残された最後の青春を目一杯楽しもうね。高一高二の子たちも、張り切っていきましょーっ」

また歓声が上がり、どこからかひゅうっと口笛が飛んだ。

「てことで、今日はリハーサルをやります。場所は違うけど、緊張感を持ってやりましょう」

はーーい、と元気な返事があった。

「四時に完全着席でお願いします。じゃ、基礎練とか始めてください」
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