愛させろよ。
桐谷先輩の様子をうかがったが、この分なら何とかなりそうだ。

背筋はすっとのび、唇は凛として引き締まり、瞳は輝きをたたえて見開かれている。

綺麗、だ。

つい二ヶ月前の俺は、客席側から先輩を眺めるだけだった。

それが、今ではこんなに近くにいる。
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