愛させろよ。
先輩は、頓着せずにすたすた歩き、一つのカーテンをさっと引いた。

階段が現れた。

「私の部屋は二階だから」

そう言って、上がっていってしまう。

俺も慌てて後を追った。

情けなく口を開けた右の靴下の穴が、気になって気になってしょうがなかった。

こういうことになるなら、ちゃんとしたのを履いてきたのに。

今朝の自分をぶん殴ってやりたい。
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