愛させろよ。
「さ、寂しくなんか……私には楽器があるから」

しかし、その瞳の揺らぎは言葉を裏切っていた。

こういう場合、何て言ってあげればいいんだろう。

抱きしめたい衝動を、俺は必死に抑えていた。

考え抜いた結果、俺の口から出た言葉は。

「寂しい思いはもうさせませんよ……先輩には俺がいるじゃないですか」
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