愛させろよ。
そういえば、あの彼女はどうしたんだ?

このマリカとかいう人は、たぶんもう一人の方だよな。

「三年の吉永茉莉花です!よろしくね」

甘い声で我に帰った。

「あ……相原啓介です」

「うん、じゃあ啓介くん、今楽器持ってくるから一瞬待っててね」

吉永先輩は、俺を見上げて言うとどこかに消えた。

先輩の背丈は俺の胸くらいまでしかなかった。

いくらなんでも小さいんじゃなかろうか。
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