愛させろよ。
先輩は振り向かなかった。

無視?

いや、先輩は気づいてないんだ。

先輩は体の左側を壁に向けていて、俺の方には右側が向いていたから。

俺は前に回りこもうかと思った。

でも、やめた。

集中を途切れさせるのは申し訳ないし……

先輩がすごく喜んでくれるとも、思えなかったから。
< 299 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop