愛させろよ。
「相原、スルーすんなよ! 恥ずかしいだろ!」

長瀬は俺の袖をつかんだまま、ふくれてみせた。

ぱっと袖を離した長瀬は、大きなため息をついた。

「あーあ、喜んでたけど、誰にでもしてたのか……」

「でも、ほら、いくら茉莉花先輩でも、嫌いな奴にそんなことはしないだろうから」

「嫌われてはないってことだな? じゃあ、今後の努力次第で……!」

瞬く間に元気を取り戻した長瀬がおかしくて、みんな一斉に笑った。
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