愛させろよ。
「雑音が多すぎる」

それは俺も思った。

先輩はいろいろ助言してくれた。

俺は忠実に従ったつもりだった。

しかし一向に改善せず、俺の楽器はポンコツ機械の起動音みたいな音を立て続けた。

とうとう先輩が言った。

「邪念が入りすぎてるんじゃないの」

そんなこと言われても……

今の俺は邪念の塊だ。

俺は黙って苦笑いした。
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